「バーチャル東京」アプリは、東京で人気のある国の指定文化財を、VR(3次元CG)やAR(拡張現実)などの情報手段を使って、観光客のスマートフォン(iOS,Andrid)を通じて広く紹介することを目的としています。このアプリは、国の文化財を管理している文化庁の補助事業として創られています。アプリの利用者はその文化財に近づき、その文化財の「現在」を見て感じるとともに、その文化財の過去や、未来、設計の秘密を知ることができます。
① 江戸城再建と炎上
東京駅に近い皇居の東御苑は無料で公開され、多くの観光客が訪れます。その皇居の北側に、17世紀に建てられて、そのあと火災にあってその後再建されなかった江戸城天主の天守台があります。江戸城は、1603年に将軍となって天下を治めた徳川家康が新しい江戸城を造り、その後三代の将軍によって建て直された壮麗な日本一の城でした。しかし1857年1月に起きた「明暦の大火」により堀を超えた火災旋風によって延焼その後再建されなかった。アプリは、空虚な天守台の上に火災前の華麗な天守を再現し、さらにそれを炎上させる。
② 日本橋の過去と未来
家康が江戸幕府を開き、全国に向けて4街道の起点として日本橋が整備された。江戸の中心である。1811年、現在の石造の橋ができた。東京オリンピック(1964)に向けて首都高速道路が日本橋川にかかり、2025年ごろからその撤去が行われる。アプリは、高速道路が撤去されたときの未来の日本橋を見ながら、日本橋400年の歴史を、残された絵画などから学ぶ。
③ 小石川後楽園で、大名遊びをVRで楽しむ
水戸藩三代、徳川光圀が改修した大名庭園の傑作。明の亡命儒学者、朱舜水も設計に加わり、幕府、公家、大名たちの接待と饗応の庭園となった小石川 後楽園は特別史跡、特別名勝である。かつて、大泉水(池)には「長橋」が掛かり、橋の中央には能舞台があった。そこで、大名たちは舟遊びを楽しんとされる。その様子をVRで再現する。
④ 西洋美術館(世界遺産)にル・コルビュlジェの上野構想を見る
20世紀近代建築(モダニズム)の泰斗、ル・コルジュlビジェが設計し日本の弟子が作り上げた「国立西洋美術館」。知られざる地域開発構想、ミュージアム構想をVRとARで追体験する。